1305年1月 於・グリューゲル


時は1305年、1月。
ナ国連邦のショウ王の没後、ナ国の首都グリューゲルで和平会議が開かれていた。

宰相「またギュスターヴ公の名を騙った反乱が発生したようですな?
デーヴィド「反乱ではありませんよ、宰相閣下。単なる野菜の群れです。
 それも、もう壊滅させました。
将軍「それにしても、ドーロレスランド(道路無き土地)の東側では、
 野菜…じゃない、野盗だの反乱だの、治安が悪すぎる。
 緑茶公…いや、チャールズ公の支配権が確立していないことの証ではありませんか。
デーヴィド「それは逆です、将軍。ラウプホルツ鋼を始めとした皆さん方がそういう不逞な連中を煽っておるのでしょう。
 わがヤーデ伯家による支配の正当性が確立されれば、自ずと治安は良くなります。
将軍「…ラウプホルツ『鋼』?
大臣「しかし、デヴィ君、ヤーデ伯による支配を望まん者も多いということだよ。ケルヴィン公はハン・ノヴァを見捨てた方だ。
デーヴィド「祖父を侮辱するのは止めていただきたい、大臣。ハン・ノヴァを退去したのは諸侯も同じ。
 それに、過去ではなく未来の話をする場です。
また別の将軍「これ以上、戦いを続けたくないのが諸侯の本音だ。
どこかの大臣「しかし、アナス川の東岸にヤーデ伯の領土が存在するのは、我が国の安全にとって脅威です。
デーヴィド「父チャールズも戦争を望んではいません、…多分。
 しかし、ギュスターヴ鋼、ケルヴィン考と受け継がれてきた医師があります。
大臣「いやその、受け継がれてきた医師って、遺志の間違いじゃ…?
また別の将軍「いや、もっと大きな安全保険の枠組みをだね、
どこかの大臣「ナの陰謀ではありませんか!
将軍「ラウプホルツは一寸たりとも領土を明け渡すことは出来ません!


ハン・ノヴァ近郊のヤーデ伯軍の陣営にて―――。
側近「デーヴィド様からは何と?
チャールズ「いつものとおりだ。校章などで片がつくものか。
側近「学校ですか、校章って…?
チャールズ「…もとい、交渉だ。どうもあれは何か勘違いをしているようだ。
 私が本気で和平哄笑を望んでいると思っている。
側近「いや、哄笑って、大口を開けて笑うって意味で…。
チャールズ「(突っ込みを無視)時間を稼いで、その間にコードレスランド(回線要らずな土地)での支配権を固めるのだ。
 一度、こちらに呼び出してよく言い聞かせてやるか。(ばきぼき)
側近「いやその、何故そこで腕を鳴らすんですか!?
チャールズ「まったく。父上に似たのか、あれは青磁がわかっておらん。
側近「…(青磁…青磁の壷…)。
チャールズ「ところでだ、ハン・ノヴァに命じた兵糧供出はどうなった?
側近「は?…はっ、先ほど死者が戻りました。すぐに報告があるものと。
チャールズ「死者…?グールか?
死者(誤)「何か?
チャールズ「いや、別に。
使者「そうですか、では申しあげます。
チャールズ「うむ。
使者「ハン・ノヴァの長老会は兵糧供出を拒否しました。
 その上、なんとなんと、付近の小領主に呼びかけて兵を集めております。
チャールズ「なんだと!実力で防ぐつもりか!
使者「その中に、ギュスターヴを名乗る者とその兵もあります。
チャールズ「ははははははははははははははははははははははははははは
使者「(怖ッ)い、いかがなさいましたか、陛下?
チャールズ「しめたぞ、ハン・ノヴァを制圧するチャンスだ。
 ギュスターヴ鋼の名を騙る者を討つという名目ならば、他の諸侯も反対はできまい。
 長老どもめ、兵糧を惜しむあまりに失策を犯したぞ。
 すぐに諸侯に死者を出せ。不届き者を征伐するとな。


おわり。


これもやはり、かなり前の作品の掘り出しです。
デーヴィド初登場イベントですね。
最初ゲームで見たとき、いきなりなんなんだこの人達は…と思ったものです(笑)。
「和平会議」はナのショウ王の没後…と言いますが、そういえばショウ王の子はどこにいるんでしょうね。
子供がいるのなら、あの会議の場にいるとは思うのですが…はてはて。
このイベント、子供心に(笑)印象強かったセリフは「すぐに諸侯に使者を出せ。不届き者を征伐するとな」だったという。
チャールズさんも、もう少し出番があってもいいと思うのですが…。
やっぱりダメですか、異端児は(笑)。

書いた奴:言わなくっても清風って分かる気がしてきた