トップでちまちまと塗り続けてきたものをまとめてみますよ。 2




11/11/23 突然ですがペン入れ終わりました


そう、この絵は五人組の絵です。最後に主役の登場ですよ。
鷲座です。男ですが鷲座です。
聖衣のデザインのアレンジにうんうん唸っていたら、あれよあれよと時間が過ぎていました。

なぜ鷲座を主人公に据えるのかといえば、まず白銀主体で書きたかったからなんですが、
古代ローマの軍旗には銀色の鷲がついていたから、というのが第一の理由なんですよ。
銀色の鷲座って言ったら、もう白銀聖闘士の鷲座しかいないじゃないか!
しかし主人公は男性の方がいいだろう、というかこの時代には女性聖闘士はいない気がする、ということで男です。
そして男にするにあたっての一番の問題が、聖衣でした。
あのいかにも女性が着そうな聖衣を無理なく男性が着る聖衣にするには、どのパーツがどこに行くか……。
でもそのままパーツを融通させると、青銅並みの軽装に……白銀の重量感も出したい。
ということで、星矢達のポセイドン編あたりの聖衣と、バベルやモーゼスあたりの装備ぐあいを参考に。
きっとこの絵で描いている頃は話も中盤だろうから(?)、少しだけパーツが多めです。

鷲座の聖衣の、左腕が好きです。あと頭。それなのに魔鈴さんはあのカチューシャのような頭防具をなかなかつけてくれない。
聖闘士は頭の防御を軽視しすぎだと思います。特にムウとサガと老師。かぶれよ。兜かぶれよ。
兜と言えば、アニメ版シュラはヘルメット型になってましたよね。あれは立体造形上の問題だったんでしょうか。すごく納得行かない。
でもサガに騙されてアイオロス殺してる武人なシュラは、ヘルメットの方がストイックに見えて似合うのかもしれません。
ツンツンの髪がよく見える原作版の方が好きなんだけどなあ。


11/28 下塗りしました


主役はデフォルトの白銀カラー。ということで、少し青みがかった銀です。あとは主人公カラーで茶髪に赤目です。
肌は少し日に焼けた感じと、真っ白ではなく少し黄味も混ぜてみて。

ところで割と落ち着いたポーズをしていますが、これがこのキャラの個性という事で、ここは一つ。
主人公がそんなキャラでいいのか、という気もしますが、だって鷲座だよ、魔鈴さんの遥か昔の先輩だよ。
というか作者のテンションがこれだからこれくらいでいいんだよ。
あとの濃さは他の主役や主役を食ってしまう勢いの黄金聖闘士が補ってくれるよ。

といったところで、このキャラの簡単な設定とかの紹介を。
白銀聖闘士、鷲座フォルティス。16歳。聖闘士歴は2,3年と、まだそんなに長くない。
もとはローマの元老議員の家で育ったが、色々あってコンスタンティノープルへ行く船が難破し、家族は離散。
近くに居合わせた聖域関係者に拾われ、「明日のパンのために」聖域へ赴いたという少年時代の経験を持つ。
聖闘士となった今は、家族のことは生きてはいないだろうと割り切って普通にやっている。
故郷ローマには仲のよい女の子がいたものの、何と言ってもあれはまだ一ケタの頃だったから、好きとかは別に思ってない。
割とクールでドライ。どういうわけか誰と話していてもツッコミ役になってくる。
必殺技はイーグルトゥフラッシュと流星拳だ! まだ増えるかもしれない!!

うーん、普通のキャラだなあ。


12/3 肌を塗りました

これまで塗ってきた4人とは違って膝上までのロングショット。
腕とか肩とか手とか、なかなか塗れなかったところを塗ります。気合入ります。
やっぱり(技的に)突撃系主人公は、多少筋肉がないと迫力が出ませんもんね。
そういえば無印の主人公5人衆の中でも、白黒ページでちゃんと腕の筋肉が見て取れないのは瞬だけでしたね。
古代ローマ聖闘士だと、そうだなあ、琴座は確実に細いなあ。猟犬座も微妙な線だなあ。
蜥蜴座はどうかな。ミスティは割と細身の描写でしたけど、古代ローマ蜥蜴は熱いキャラにしたいから、紫龍くらいの筋肉路線かな。
鯨座は体型が檄……までは行かないな、蛮くらいのイメージだな。とりあえずパワー系だな。となると筋肉はあるな。

うん、もう主役について語ることが尽きてきました。
ということで、ここは一つ話の大筋から逸れまくって黄金聖闘士の話をしよう。
牡羊座:ガラが悪く口が悪く、あと目つきも悪い……が、本当は優しいジャミールの麻呂眉人。職人気質。
牡牛座:頭は固いが、気は優しくて力持ち。どっしり構えた、シッティング・ブル。
双子座:頭の回転が速く弁が立つ、でも聖衣とはなんとなくソリが合わない。そっくりの双子の弟、ではなく妹がいる。
 蟹座:幼い頃に癌で生死の境をさまよったことがある。クールでニヒルだが、やんちゃな弟弟子に手を焼いている。
獅子座:水瓶座と双璧を成す、黄金聖闘士のリーダー格。獅子は生まれたばかりの子を滝に突き落とすという、的に厳しい。
乙女座:キリストの生まれ変わり(他称)。ギリシャの神々への敬意も持ち合わせるが、聖域の一部の人間からは胡散臭がられている。
天秤座:地図にない遥か東の国出身。黄金聖闘士の中では、年若い方。誰とでもフランクに話す。
 蠍座:身長も年齢もチビ。短気。ピカピカの黄金一年生。兄弟子や隣の宮の人の手を焼かせている。
射手座:年の割に多くの弟子を育てた若い聖闘士。他の聖闘士と同条件に立つため、弓や聖衣の翼は極力使用を避けている。
山羊座:自分の技に対しては求道的だが、寡黙……と言うよりは口下手。牡羊座とウマが合いそうで合わない。
水瓶座:その冷徹さ、仕事の正確さはまるで機械仕掛け。感情の機微に疎いせいか、教皇にも臆さずにビシビシと意見を言う。
 魚座:親戚を辿ればユリウス・カエサルに行き着くかもしれない由緒正しき血筋の美形。言動がそこはかとなく文学的。


12/10 完成ですよ

前回でちまちまと紹介していたものと手順は全く変わらないので、もう細かい手順は省略して完成です。
もう少し聖衣を薄い色にしてキラッキラにしてもいいかもしれませんが、渋めの色が好みです。
しかしこうやって塗り終わってみても地味だなあ、この人。
そして今さらなんですが、アンダーウェアの色はもっとベージュに近い染色してない感じの方がよかっただろうか……。
まあいいか。たいして変わらない。白黒にすればどっちも白だ。

さて、またまた尺が余って仕方が無いので、次は言語について書きましょうか。
主な舞台はギリシャとなる本作、登場人物は皆ギリシャ語で会話しています。
ただ、イタリア半島以西の人達は母語がラテン語なので、中にはギリシャ語がなっていない人もいたりします。
(教養ある人はたいていラテン・ギリシャ語のバイリンガルだったらしいので、そんなに不自由しない人も中にはいます)
あと、ジャミール出身の牡羊座と中国西部出身の天秤座はそれぞれ母語がラテン語でもギリシャ語でもありませんが、
聖域に連れて来られてから必死にギリシャ語を覚え、今となってはギリシャ語がペラペラです。
ということで、(西側出身の人たちがラテン語で雑談している場面以外は)ほぼ全編ギリシャ語でお届けしているつもりの本作。
必殺技の名前も、それっぽいギリシャ語やラテン語になったらかっこいいだろうなぁ……と思って、
英単語を古典ギリシャ語やラテン語に翻訳してくれる便利なサイト、
PERSEUS Digital LibraryのEnglish-to-Greek Word Searchを眺めています。
ロイヤルデモンローズをラテン語にしてみたらRosae Daemonicae Regiaeかな、それなら頭文字も変わらないなあ、とかニヤニヤしてます。
そうすると漢字の技は非常に難しいわけです。どうすればいいの、幻朧魔皇拳とか。
それにしてもこの技の字面のゴツくて邪悪そうなことと言ったら。これが神のような男が使う技か。
そういえばあの技って「双子座の聖闘士の技」なんですか、それとも「教皇の技」なんですか。
エピソードGを読んでいると教皇の技という扱いを受けているように見えますが、だとするとあの技はシオンも使ったんですか。


12/10 背景を作りますよ・まずは色



さてここで公開、清風の使用ツールは未だにフォトショップエレメンツだ!
ここからは一気に進めました。休日ってすてきね!
前回ページで作成した四人を、文庫版5巻扉絵を参考に加工していきます。まずは色。
鯨:水色 蜥蜴:赤ピンク 琴:紫 猟犬:黄色……と、画面を四分割して塗りたくったレイヤーを作り、「彩度」で重ねます。
あとは透明度や元絵のコントラストをいじって、少しキツいくらいの色にしておきます。
効果線などを後でつけるので、多少目に痛い状態でもOKです。後から調節できるしね!

と、キャラに色がついたところで、背景も一工夫。
キャラごとのバックを重ねた色で塗りつぶし、「雲模様」のフィルタをかけて単調さを軽減します。
割と色が濃い目の琴座と蜥蜴座で、模様がよく見えるようになっていると思います。
ただ、中心に近い余白は後から足すパーツによってつぶれるんですが……。

12/10 背景を作りますよ・効果を入れて

色をつけたら、もうちょっと見た目をソフトにすべく光を飛ばしてみます。
だいたい放射線状に白線をひきました。まずはキャラ分割線をついて、あとは適度に顔に被らないように調節。
太い線を引いたら周りにニ、三本細めの線を配置して、キラキラ感を増します。
……「だいたい」放射線状です。真ん中にはあとで置く物があるので、あのゴチャッとしたところはそれで隠れるんです。

あとはよりいっそう輝く感じに、光の粒を飛ばします。
車田先生の絵を見ていると、絵の具・網・歯ブラシでやるホワイトとばしかな、という感じがしました。
これをうまいことCGで再現するには、やはりフィルタの力を借りるのが一番なのでしょう、が、私の手元にちょうどいいフィルタがありませんでした。
ということだったので、人物と色のレイヤーを結合したレイヤーに「ステンドグラス」をかけて、画面を粒粒にしました。
そこから何色かを消していくことで、不規則な白の粒を飛ばしています。
多分ね、もっと効率のいいやり方があると思うんですよ! スプレーとか、スタンプとか!
まあとりあえずうまくいったので、これでよしとしましょう。
ちなみにこの白の粒、あまり顔にかけると美しくないようです。やっぱり聖衣に飛び散っているのが理想ですね。
聖衣のキラキラ感が増します。
白線もあまり顔の主線とかぶせないようにしています。少し削ると、デッサンの崩れが見えてくることって、あるよね……!


12/10 ちょっと色味を調整

背景にあわせて、主人公も若干明るい色に。


12/10 完成!

主人公と背景をあわせて、完成〜。
あとは当サイトのトップ絵用に、周りを切り抜いたり白を余計に飛ばしたりというアンサガ風加工を施しました。

こうやって見ると、いやー、地味ですなー!
地味目に地味目に、とは思っていましたが、いやー、地味ですなー!(二回目)
でも塗り方や背景の作り方で、なんとなく車田先生風の作り方を修得した気になりました。

……ということで、メイキング風に作ってみながらキャラや世界観について語ってしまうというこの企画。
うん、文章的には色々と書いていなかったことが書けて満足です。
絵としては全然メイキングになってないんですけどね! エアブラシ重ねるとこんなに違うんだねっていう自分向け実験だよ!
……あとは、背景をどうやって作ったかの覚え書きにもなってくれそうです。
白い粒の飛ばし方とか、次に同じような絵を描くときには忘れているに違いない。

しかし今回はひたすら聖衣の金属ツヤ具合との格闘でありました。辛い戦いでしたが、愛で乗り切りました。ハーデス、これが愛です!
いやちょっと待て、それって何に対する愛だ。「星矢」作品群に対する愛か。エピGもLCも好きですよ。無印が一番好きだけど。
エピG……そうか、今度はエピG並にゴテゴテした装飾やら意匠をたっぷりと盛り込んだ聖衣を描いてみよう。この作品で。
すると今度は装飾具合と装備の重さの一致しない加減がおかしくなるという。いいんですそれで。むしろそれがいい。

さて、じゃあ次は黄金聖闘士か……。
ところでこの「LCみたいな感じに前聖戦(もしくはそれ以前の聖戦)を妄想してみよう」みたいな企画をされているサイト様、
他にどこかに転がっていないですかね。
色々な人が妄想する「こんな○○座どうですか」が見たいですよ。


前へ

戻る