聖闘士らしい仕事へ 解説とかあとがきとか



○言語の話
・「射手座(トクソテース)」「水瓶座(ヒュドロコオス)」サジタリアスとアクエリアスなんですが、ギリシャ語にするとこの印象差。
 ちなみにラテン語読みしようとするとサギッターリウスとアクアリウスとなり、なんだかこう、むずがゆい。
 どうして原作はサジタリウスじゃなくてサジタリアスなんだろうか……。

○古代ローマの話
・「神殿を彩った大理石を教会の建築の資材として持ち去られることは、珍しくない」
 380年(このお話の8年前)には法律で認められている行為です。神殿の破壊は合法であっても、まだ行われていないかな? という印象(ソースに乏しいですが)。
・多量の水で薄めた葡萄酒
 古代ギリシャでワインを水で割るのは当たり前のことですよ、的な発言を、エピソードGのガランもしていましたなー。
 この理由は「アルコール度数が高すぎる(蒸留酒の感覚)」「甘すぎる」「(硬水で)飲みにくい水を飲むためにワインを加えている」「ワインが高いので薄めて飲む」など諸説あるようです。
 なんであれ多量の水で薄めているので、今回だと「酒飲みながら仕事の話かい! 仕事する気あるのか!」とも見えますが、
 当時はお茶もコーヒーもないし、水だけで飲もうものなら腹を下しかねないし、という状況なので、水分補給はワイン(というかぶどうジュース?)に頼っているのです。
 ……この話では、そうことにしておきましょう。

○聖闘士の話
・1ページ目、小宇宙に関する解説
 この時代はビッグバン理論がないため、原作の魔鈴さんのセリフを多少変えています。 ……多少、でも、ない、か?
 ちなみにこの解説を考えた頃にはΩ放送前なので、マクロコスモの用語かぶりはご容赦下さい。
 ちなみに「小宇宙を制御して……」というくだりは、あまり原作ではなかった概念だったかなと思いますが、
 (当時の)現代社会への適応の術と言いますか、必要外の時は人間として人間らしく(超人的な力を振るわず)慎んで生きなさいという教訓と言いますか。
 「汝自身を知れ」みたいな感じと思っていただければ。
・八十八とも、百を超すとも、無数にあるとも言われる聖衣
 原作や各外伝でも若干の揺れがあるようなので……! 原作にはない聖衣も出したいなあ、の布石です。
・候補生による聖域からの脱走は、処分をしようとするときりがないという理由から放置されている
 「聖闘士が教皇の勅命に背いたら死ぬ」というイメージです。重要なのは聖衣持ちかどうか、ということにしているつもりです。
・暗黒聖闘士
 地元の不良が混ざっている、という話は他外伝にはなかったかもしれません。いや、全部脱走者だとしたら、聖域ちょっとガバガバすぎないか。
 ちなみに明らかになめてかかっている感じは、原作のミスティいわく「白銀と青銅は神と虫ケラほどの差」ということらしいので、
 聖闘士でもない奴らを軽視するのはたぶん自然な流れ……じゃないかな、と思うんですが、どうでしょう。

ということで古代ローマ聖闘士、導入編、第二回でした。
さっそく暗黒聖闘士と一戦交えさせようとしたのですが、最初の解説でいろいろ詰め込みすぎて、バトルを入れると長くなりそうだな……と判断。
代わりに、下書き段階ではあっさりと合流した鯨座グランドーとのコンタクトをしっかり書き直すことにしましたら、下書きの面影がないよ!
むしろ下書き段階には山猫座なんていなかったし水瓶座の名前も出て来なかったよ!

今回はより聖闘士星矢らしく、ということで、小宇宙だ聖衣だといった解説を中心に据えることになりました。
後輩の教育、黄金聖闘士からの指令、仕事なら仕方ない。これが「もやしちゃづけ」の白銀聖闘士です。うわあ嬉しくない。
黄金ほど強くないし、「冥王神話」の天馬あるいはテンマほど個人的な理由もない、聖域に忠実ないわば「サラリーマン」主人公が、
今後どのように成長して、主役らしくなれるのか。なれるのか?
そんなことより一気にキャラが増えすぎて、分かりづらくなってきているかも……という懸念をいまさらしています。遅い。
ですが、白銀聖闘士は連続して出すつもりですし、黄金聖闘士はそれぞれ見せ場があるはずなので、
その時までは忘れていても何ら問題はありません。

ということで次回から、ようやっと暗黒聖闘士と戦います。
真面目に戦闘の描写をしようとするのはいつぶりか……という状況なので、
ちょっとエピソードGでも読んでイメージを膨らませることにします。
(Gは必殺技の打ち合いでない、通常攻撃の応酬からなる戦闘がとても丁寧で大好きです)

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
(2015.4.6)


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