正規の聖闘士ですから(前) 解説とかあとがきとか



○古代ローマ・古代ギリシャの話
・「アシアの大都市ペルガモンと古の戦場トロイの間にそびえる聖山」
 イーリアスでは、イダ山、イーデー山と呼ばれた山です。現トルコの北東部のカズ山。
 水瓶座となったガニュメデスがゼウスにさらわれたのもこの山だったそうです。
・「神様が大寒波で人間を減らしてやろうとか思ったんじゃないのか」
「あー、人口調整のためのトロイア戦争みたいなやつか。困るよね、そういうの。抗いようがないものねー」
 トロイア戦争のそもそものおこりは、増えすぎた人口調節だそうです。

・三人の暗黒聖闘士の容姿のこと
 暗黒鷲座の染髪、暗黒琴座の化粧、暗黒鯨座の焼き印は、アウトサイダー的な雰囲気の象徴です。
 髪染めをする男や化粧をする男は男性的ではないとみなされ、侮蔑の対象だったようです。
 (女性でもそんなに褒められた話ではないようですが。特定の髪色は娼婦の象徴だったとか)
 暗黒鯨座の焼き印については、「犯罪者は顔に焼き印を入れられて前科が特定できちゃう仕組みがあった気が」と思って入れてみたんですが、
 そういう仕組みが手持ちの資料をひっくり返したりインターネットで探しても見当たらないので、勘違いかもしれません。
 でも確か江戸時代ではやってましたよね、そういうの。

○聖闘士の話
・「そういう事態(神様が大寒波で人間を減らしてやろうとか思ったんじゃないの)に対応すんのが、聖闘士の仕事ってことになってるだろーが!」
 出所は忘れましたが(LCだったかな)、「聖闘士はいかなる国家、民族、団体にも与しない」ということで、
 どの人間にも利益がないこと、明らかな神の介入がある場合だけ動く……という姿勢なんだと思っています。
 だとすると「ナポレオンの挫折、元寇の敗北、ローマ帝国の崩壊…(略…)すべて聖闘士の陰のはたらきによるものなのです」とは何だって話ですが、
 そのあたりはおいおい本編で。……いえ、考えていないというわけでは(目線が泳ぐ)
・「聖域にいられない根性なしは、黙ってな」
 敵をバカにしてこその白銀聖闘士です。
・琴座VS暗黒琴座の音楽と小宇宙の話
 基礎理論をぶちこもうとしたらやたらと長くなったのでこちらで。


古代ローマ聖闘士、ようやっとバトルも混ぜ込んでの本編です。
と言いながら、導入までにたっぷりと二ページ使ってます。前振りって大事。
例によって下書きの面影がありません。当初は鷲座と鯨座はもう少し苦戦する(一発くらいは敵の技を食らう)はずだったのですが、
青銅聖闘士じゃあるまいし! 白銀聖闘士なんだからもっとパパッと手間なく!! と思い直し、この感じです。
未だかつてこんなに敵をナメてかかる主人公がいただろうか。
しかし古代ローマ聖闘士、追求したいのは主人公らしさより白銀聖闘士らしさ。
実力に裏打ちされたプライドの高さ、敵をバカにする、もちろん青銅聖闘士のことも軽く見る、そういう白銀聖闘士らしさ。
……そんなイヤな主人公が未だかつていただろうか(2回目)。でもそろそろ白銀も主役になってもいいんじゃないか。
(LCのユズリハは出番の少なさ的に主役に含まないし紫龍や氷河と言った主役の一団にも含み難い気がしている)


小説を書くのが数年ぶりな上にバトル描写が苦手なことも相まって、非情に手間取りました。
あとは下書き段階と現在とで若干キャラが変わった(と言うよりようやっと固まってきた)キャラがいたのでセリフを見直してみたり
初っ端から音楽を使う変則的な聖闘士がいるおかげで、小宇宙についてもう少し解説を……と思ったら説明が長すぎてしまったり、
さらには技の解説や動作の説明を入れようとして原作をどっぷり読んで……みても分からねーよ! を延々としていたおかげで、
大全を読んだり外伝読んだり、格闘ゲームのBBAのムービーをあさり、黄金魂見て、感想メモして、ん、あれあれ? とかやっていました。
でも力を入れたいのは必殺技の描写よりも、そこにたどり着くまでの普通のパンチキックの応酬なんですよねっていう。書きづらいけど!
(ギャラクシアンウォーズの星矢vs紫龍とか大好きです、星矢vs檄も好物です)

次回、残った暗黒ペルセウス座との戦いです。
まあ暗黒聖闘士だし。聖闘士未満だし。とタカをくくった白銀たちが挑みます。イヤな主人公だなまったく。
割と予測通りの展開となることでしょうが、それでも手に汗握って……は、半年くらいお待ちください。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
(2016.1.24)


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